目先のことだけではダメです

家づくりを考える際、多くの方が新しい家で生活をはじめた直後のことや、子供の成長に伴う数年後の各部屋の使い方などを想像されて間取りを考えることと思います。

もちろん目先の生活を考えることも必要です。

しかし、いずれお子様が別の場所に住まわれる可能性や、老後の夫婦だけになった際の生活のことを同時に考えておかないといけません。

子育て期間をより楽に、より楽しみながら過ごしたいという住宅購入の動機においては非常に大きな要素ではありますが、期間は非常に短いものです。

子供がまだ小さい子育て期間、子供が自立して部屋が必要となる期間、そして夫婦だけの期間、いずれも重要な時期ではありますが、そのうちで最も長いのは夫婦だけの期間となるご家族が多いことでしょう。

子供が出られて夫婦だけとなった直後は、大きな問題はありません。

しかし、年を取らない人はいません。誰もが必ずいずれは年を取り、徐々に体力も落ちてきます。

老後のことを考えずに家づくりをしてしまうと、最も長い期間を不都合を感じながら生活しなければなりません。

例えば、収納の多くを2階に配置している家であれば、1日のうちに何度も2階を往復することになります。

足腰が弱くなってしまうと、それだけで大変な負担となります。

2階のベランダに洗濯物を干す間取りとなっている場合も同様です。

重い洗濯物を持って階段を上がっていくことは、負担と同時に危険も伴います。

両手がふさがっている状態で、また足元も見えづらい状況で、もし足を踏み外しでもしたら・・・考えるだけで恐ろしいことになります。

また、多くの家が2階に子供部屋を配置していますが、大抵の場合、老後はたまにしか足を踏み入れない物置になります。

子供部屋を必要以上に作りすぎてしまうと全く使わない部屋ができてしまうことになります。

全く使わなくても、たまには掃除も必要となるし、元々その部屋を作るのにも大きなお金が掛かっているわけですから、非常にもったいないことになってしまいます。

足腰が弱ってしまい2階に行き来するのが難しくなってくると、1階のスペースを増やすために増築をされる方も少なくありません。

せっかくお金を掛けて部屋を作ったのに、その部屋は使わずに、またお金を掛けて別の部屋を作る・・・

老後のことを考えておかないとこんな無駄な出費が増えることにも繋がりかねません。

家づくりの際には老後のこともしっかりと考え、1階に生活の比重を置いた家にすることで、極力お金や労力の無駄を省くことが必要です。

それでは、

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