賢い土地の見つけ方
住宅を購入する際に、必ず必要となってくるもの・・・それが『土地』なわけですが、すでに土地をお持ちの方を除くと、すべての方が今後数十年と生活をしていく起点となる土地を探し、決めなければなりません。
その重要な起点となる土地探しに、もし失敗してしまったら・・・
考えるだけで恐ろしいことになるでしょう。
なぜならば、家具や模様替えなどによってイメージや機能を変えることのできる家と違って、土地は一度決めてしまってからでは、その土地を動かすこともできないし、形を変えることもできないからです。
土地を決めるということは、まさに一生付き合っていくパートナーを決めるようなものかもしれません。
しかし、土地探しに十分に満足し、成功したと思っている住宅購入者が驚くほど少ないのも現実です。
どんなに理想的な住宅を建てたとしても、その建物の下にある土地に不満を持ってしまっては、家づくりに成功したとは言えず、後悔してしまうかもしれません。
では、失敗しない賢い土地探しをするために、必要なものは一体なんなのか。
そのポイントをいくつかお伝えします。
1. 土地に『良い』も『悪い』もない
一般的に土地の良し悪しを図る材料として、大きさ、形、位置(日当たり)、高低差、駅からの距離、近隣施設、学区などがあります。
多くの人が、できるだけ大きな土地で、形がよく、南側道路の日当たりの良い土地で、高低差が無く平らで、駅からの距離も近く、近隣にはスーパーやコンビニがあり、そして希望の学区内・・・そんな土地を希望することと思います。
では、もしそのような土地に巡り合えたら、土地探しは成功するのか??
というと、そうはなりません。何故かというと、そのような理想的な土地は、驚くほど高額だからです。
土地の価格というのは、一般的には路線価と面積、そして地面の状況などによって決まると言われていますが、実はもっとわかりやすいパロメーターがあるのです。
それは、、、『人気』です。
欲しがる人が多ければ多いほど、土地の価格は高くなり、欲しがる人が少なければ安くなります。
例えば、非常に条件の良い土地であっても、その土地近辺で悲惨な事件が起こったとすると、欲しがる人が少なくなり、結果土地自体は全く変わっていないのに、価格が安くなったりするのです。
先程の土地を見てみましょう。
良い条件をすべて満たしている土地であれば、大半の方が欲しがることでしょう。
結果、非常に高い土地となり、予算の多くを占めてしまう可能性があります。
どんなに条件の良い土地を手に入れることができたとしても、そのせいで予算が厳しくなり、結果、家を妥協せざるを得なくなるかもしれません。
もしくは、予定より多くの住宅ローンを組むことになり、日々の生活が苦しくなるかもしれません。
家づくりは土地だけではありません。その上に家族の希望を満たす家が建ち、そして日々の生活にゆとりを持った支払いができる資金計画を立てることが必要です。
2. 建物と土地をセットで考える
土地の価格のカラクリを把握した上で次にやるべきこと、それは「どの条件を外していくか」です。
すべての条件を満たそうとすると高額になってしまい、条件をひとつ外していくと、その分だけ安くなっていくと考えましょう。
そうすると、多くの方が「妥協」しなければいけないのかと思われることでしょう。
そうではありません。
学区や駅からの距離など、外部要因の条件は別として、土地自体の条件、例えば大きさや形、位置などは、条件が悪いからといって必ずしもマイナスになるとは限りません。
例えば、高低差のある土地であっても設計次第では、その高低差をうまく活かして、平な土地では決してできないような個性的なプランを可能にすることもあれば、北側道路の一般的には日当たりの悪いと言われている土地であっても、設計次第では、吹き抜けや中庭を組み込むことによって四方から光を取り込む明るい家にすることも可能です。
つまり、土地は設計次第で良くも悪くもなるのです。
どのような建物にするのか、それを決めながら土地を探すと、条件は悪くとも理想的な土地に出会える可能性が増えていきます。
3. まずは資金計画から
土地探しにおけるよくある失敗事例として、土地にお金を掛けすぎてしまうことが挙げられます。
良い土地を探し回った結果、条件は良いが高額な土地を購入してしまい、建物の予算を大幅に削ってしまうことになります。
特に、土地購入時には、不動産情報に載っている価格以外に、必要なお金もあります。
これらをしっかりと把握して土地を購入しないと、その分のしわ寄せが建物自体やその後の生活に圧し掛かってくることになります。
まずは、しっかりと資金計画を立て、いくらまでの土地であれば、建物にある程度の希望を叶えながら十分に支払っていけるのかを把握することが重要です。
是非とも、お家づくりのご参考にしてください。
それでは、